植物には、人を元気づけるチカラがある。

入社4年目にして植木場の主任を務める期待の若手社員、難波さん。彼が植物ファンとなったルーツや、オザキフラワーパークに入社した経緯、植木にかける熱い思いに迫った。

植木場主任・難波さん

ガーデニング好きの母親からの影響で、幼少期から植物に親しむ。東京農業大学の農学部では「園芸療法」を専攻。2018年に入社し、現在は植木場の主任を務める。イングリッシュガーデン愛はオザキ随一。

育て上げた植木とお別れする、喜びと寂しさ。

難波さんが担当するのは、屋外にある植木場だ。夏になると日光を浴びながら、朝から晩まで植木の水やりに精を出す。そのほかにも、植木の発注や接客、レジ対応と業務は多岐に渡る。植木の仕入れもそのひとつ。月に数回ほど生産者の元に足を運び、一度にまとめて仕入れている。花木はつぼみや花など、見た目で判断しやすいものの、植木の目利きは一筋縄にはいかないと難波さんは話す。

「いまだにパッとは決められないですね。花苗と比べて単価も高い分、プレッシャーもあります」

基本的に庭に取り入れやすい、まっすぐな植木を多めに選びつつ、形が曲がったユニークな植木もいくつか仕入れるのが難波さんのスタイル。花苗は寄植えや花壇を想定してバランスよく仕入れなければならない一方、植木は一本ごとの個性を見極められるのが魅力だ。

「たまに熱が入って仕入れすぎてしまうのですが、一本一本が大きいので、売れ残ると売り場面積を取られて大変なんです。スタッフの植物愛が強すぎて廃棄もできない(苦笑)。なので仕入れを失敗すると、在庫がどんどん増えてしまうというプレッシャーがありますね」

とはいえ、もし万が一売れ残る植木があっても、それはむしろチャンスなのだと難波さんは言う。長く手元に残ってくれれば、それだけ剪定に手をかけられるからだ。植木を自分好みの形に切り揃えるたびに、ひしひしと愛着が湧いていく。反対に、過去にはじっくり育てようとしていた植木が、すぐに売り切れてしまうという嬉しい誤算もあったという。

「もちろん、早く売れるのに越したことはないんですけどね。ただ、植物が成長する過程を見守るのも楽しいので、複雑です(笑)」

どんなときも、そばに植物がいてくれた。

難波さんが植物好きになったのは母の影響だった。自宅の庭は常にガーデニングされており、難波さんは子どもの頃から自然と植物の手入れをするようになったという。その後も東京農業大学の農学部へ進学し、「園芸療法」を専攻する。

「研究室には専用のイングリッシュガーデンがありました。高齢者や発達障がいを抱えた児童と一緒に植物を見て回ったり、アレンジメントをしたり、植物を通して交流するためです。ここで植物の癒し効果を学びました」

卒業後は「空間づくり」に携わりたいと、商業施設のディスプレイやショーウインドウを手掛ける会社に就職する。ディスプレイの施工はほとんどが閉館後に行われるため、仕事は深夜にまで及んだ。その間も心の支えになったのは、やはり植物だった。

「バジルや大葉といったハーブや、観葉植物を育てていました。アクアリウムにもはまっていたので、水槽の水草を手入れしていましたね」

社会人3年目には植物関係の仕事に就きたいと考え、オザキフラワーパークへ。

「ここを選んだのは、一番多くの植物に触れられる場所だと思ったからです。それに、こもりきりで作業するよりも、お客様とコミュニケーションを取りながら働きたかった。入ってみると、そこはイメージ通りでしたね。お客さんからの質問にも、自分なりに答えられるようになってきました。少しずつではありますが、理想としていた接客に近づいています」

自然のなかで、植木を育てる楽しみを広げたい。

オザキフラワーパークは「Feel The Power of Plant」というスローガンを掲げ、初心者からベテランまでが楽しめる空間づくりを目指している。現在、屋外ゾーンはイングリッシュガーデンをモチーフにした改装が進められており、難波さんもそれを活かすための陳列や展示方法を模索中だ。

「オザキは自分の頑張り次第でなんでもできる自由度の高い環境です。スタッフもみな協力的で、声をかけやすい。最近は若いスタッフも増え、一層社内が明るくなりました」

最後に今後の抱負を聞くと、植木への熱い思いが溢れ出た。

「植木と聞くと、観葉植物を思い浮かべる人が多いと思います。インテリアの一部として楽しむのもいいのですが、屋外で育てる楽しみも知ってほしい。気温や日当たりなど、自然の変化によって芽吹いたり、花を咲かせたりします。ダイナミックに成長するさまを目にしたら、誰だって元気づけられるはず。植木は花に比べて地味なイメージがありますが、それも払拭したい。オザキから積極的に発信して、いずれはガーデニングのように屋外でおしゃれに植木を育てるライフスタイルを日本中に浸透させたいですね」

 

編集:fridge Inc.

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