Vol.2 水やりは植物とのコミュニケーション

モモセ先生こと百瀬謙太郎が、オザキフラワーパークに寄せられる観葉植物の育て方についての疑問に答えます。今回は「失敗のない水やり」について。水やりは植物を育てる上で「基本のき」です。実のところ「水やり3年」という言葉があるほど奥深いものだという噂もあります。

百瀬 謙太郎

植物好きの祖母からの影響で、グリーン業界へ。造園業などを経て、2015年からオザキフラワーパークで観葉植物を担当。とりわけ好きな植物はユーフォルビア。 

Q :「水やり3年」とは言いますが、水やりってそんなに難しいのですか?

モモセ

「土の表面が乾いたらあげる」という基本ルールさえ守っていれば大丈夫です。植物が水を吸い上げ、ほぼ使い切る頃に、次の水やりをしてください。

乾いた状態の土(左)と湿った土(右)。

──ふむふむ。いつも土が乾かないうちに水やりをしていました。前に鉢植えを枯らしてしまった理由はそれかも……。

モモセ

あ〜、その可能性は高いですね。シダやコケなどを除いて、ほとんどの植物は毎日水を与えると根腐れを起こしてしまうのです。

──そこで、ハラペコ寸前のところで水を与える、と。

モモセ

そういうこと! 人間も食べてばっかりは体に毒でしょう?







──胸に突き刺さりますね。で、一度にあげる水の量はどれくらいがいいですか?

モモセ

水を常に必要とする植物でなければ、3、4日は水をあげなくても平気です。日当たりのいい部屋に植物があるようなら、温度が上がって土が乾かないように、部屋の中心に移動させてください。



──へー、そのくらいシンプルな対策でこと足りるのですね。

モモセ

お水が大好きな植物の場合は、留守中だけ深めの受け皿に水を張ってあげてもいいかも。受け皿に水がたまっていると根腐れの原因になるので、普段はおすすめしませんけどね。季節や、部屋の気温などにもよりますが、1〜2週間はこの方法でしのげます。





──すごい忍耐力!

鉢底から水が出るくらいまで与える。

水やりは鉢底から水が出るくらいたっぷりと。こうすることで土中に新鮮な酸素も供給されます。

Q :多肉植物の水やりのポイントは?

モモセ

こちらも「土の表面が乾いたら水をあげる」という基本さえ守っていれば大丈夫です。


多肉植物にも水やりはしっかりと。





──なんとなく、多肉植物にはあまり水をあげないほうがいいのかと思っていました。サボテンみたいなイメージというか……。

モモセ

いえいえ。ほかの植物と同じで、冬場以外の成長期は水も肥料もバンバン吸収します。ただ、多肉植物という名の通り、水を多肉層に蓄えるシステムを持っているため、水をあげすぎると多肉質な部分が割れてしまうことがあります。





──そんなになるまで飲んじゃうなんて。

モモセ

ははは、破裂するほど水を吸う株は元気なので、それが原因で枯れることは滅多にありません。ご安心を。

Q:チランジア(エアプランツ)の水やりのポイントは?

モモセ

名前のせいか誤解されている方も多いんですが、エアプランツにも水は必要なんです。もともとは雨や霧の多い南米やオーストラリアが原産なので。





──へー。空気中の湿気だけで水は足りるのかと思っていました。

モモセ

ほらここにも……(笑) この子たちはインテリアのように扱われがちですが、れっきとした植物なので水と光は必要です。全体にジョウロなどで水をたっぷりかけてあげてください。

モモセ

水やりをしたら、水が株元に溜まって腐らないよう、しっかり水切りします。その後は、風通しの良いところで乾かしてあげるといいですね。

水やり後は株を逆さにして水切りを。





──水やりの頻度はどれくらいですか?

モモセ

お店だと夏場は週に3〜4回、冬場は2回程度です。エアプランツは水を吸う気管が夜から朝にかけて開いてくるので、水やりは夜に行うのがオススメです。ただし冬場は夜冷えるので、日中の暖かい時間帯にあげてください。

Q:ほかに水やりに注意が必要な観葉植物はありますか?

モモセ

宝石ランという原種系のランの仲間や、アジアンタムやレインボーファンなど、シダ系の植物は要注意ですね。この子たちは、温度と湿度が高い環境を好むので、温度や湿度が低いところに置いておくと葉っぱが縮れたり、葉っぱが落ちたりします。

写真左から宝石ラン、アジアンタム、レインボーファン。





──ふむふむ。なかなか手間がかかる子なんですね。

モモセ

水槽などに入れて育てている人もいます。人気のエバーフレッシュも水が切れると、葉っぱが全部落ちてしまいます。このあたりの植物は、水切れしないようこまめな注意が必要ですね。





──水槽に! 考えたこともなかったです。

エバーフレッシュ。

モモセ

とはいえ、与える水の量や頻度は環境によって大きく変わってくるので、どんな植物でも同居をはじめたら最初の1、2週間はしっかり家庭内でコミュニケーションをとってください。





──コ、コミュニケーション……、ですか?(笑)

モモセ

そう、コミュニケーションです。水やりは、植物とのコミュニケーションなんです。「この子は何日くらいでお水をほしがるのかな」ってね。その辺がつかめると、植物はグッと育てやすくなりますよ。

便利な水やりグッズのご紹介

写真左から「水やり当番カエル君」「水やりチェッカー」「保水剤」

●水やり当番カエル君
ペットボトルに接続して鉢に挿しておくと、ペットボトルから水を吸い上げてじわじわ水やりをしてくれます。しばらく留守にする際に便利です。

●水やりチェッカー
土に刺すと水分量がわかるアイテムです。土の中に水が染み渡っていると先端が青色に変わります。色が白っぽく変化すると水やりのサイン。補助的に使うのがオススメです。

●保水剤
水やりの際に、水に混ぜて使います。これを混ぜることで水がゲル状になり、地中に水分が留まる時間が長くなります。少し留守にするときや、夏場の乾きが早くて水やりが大変な際に使うと効果的です。

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