Vol.4 植え替え待った無し!

モモセ先生こと百瀬謙太郎が、オザキフラワーパークに寄せられる観葉植物の育て方についての疑問に答えます。
Vol.3 では「植え替え」の必要性と実際のプロセスを教えてもらいました。今回はその「植え替え」必須の植物の見極め方を、是非とも教えて、モモセ先生!

百瀬 謙太郎

植物好きの祖母からの影響で、グリーン業界へ。造園業などを経て、2015年からオザキフラワーパークで観葉植物を担当。とりわけ好きな植物はユーフォルビア。 

Q :そういえば、買ってきてから一度も植え替えていない植物があるんだけど……

モモセ

あるある、ですね。このフランスゴムも、ポリポットのまま長らく放置されてしまったものです。フィカスの仲間などは生育がよいので、2年経たなくてもこんな感じになります。

ポリポットのままのフランスゴム

── あぁ……、そんな感じかも。

モモセ

鉢底から根がはみ出していたり、水をやってもサーっと吸い込まれていかなかったら、植え替え待った無し! のシグナルだと思ってください。

── すぐに植え替えろということですね。

モモセ

前回お話ししたとおり、真夏を除いた4月下旬から9月下旬ならね。それ以外のNG時期の場合は、よい時期まで様子見してください。

── あぁ、なるほど。そうでした(汗)

Q :助けて! 株が鉢から抜けない!

モモセ

これもあるある! みんな忙しいじゃないですか。気づいたらもう4、5年放置されてたなんて株なんか、パンパンに根が張って抜けないことがあります。しばらく水やりを控えて鉢土を乾かしておいてから、鉢の側面を一周、ぐるっと思いっきり押すと鉢と根鉢の間に隙間ができて抜ます。でもどうしても鉢から抜けない場合は、鉢を切ったり割ったりするしかありません。

── そ、そ、そうなんですね。お気に入りの鉢だとヤバいですね。そうならない前に植え替えます、ハイ……

モモセ

鉢から取り出したら、前回同様、元の大きさの1/3ぐらいの大きさになるよう根を丁寧に崩してやります。鉢の表面だった株元周りの土は軽く落とし、底部は大きくほぐす。もしもガチガチに根が固まっていたら、根気よく少しずつほぐします。多少根が切れてしまっても、ほとんどの植物は大丈夫です。

ガッチガチに固まったフランスゴムの根鉢。

ここまで固まった場合はハサミで切る!

この程度まで古い鉢土を落とし、根鉢の大きさを1/3ほどを目安に小さくする。

── ちょっと安心しました。でも植え替えに注意したい植物もあるんですね。たとえばどんなものですか?

モモセ

そうですね。地生ランとかいわゆる冬型植物やサボテン、塊根植物とかかな。体の大きさに対して根が小さいものや、根をいじられるのを嫌う植物ってあるんです。それぞれの植物の特性を理解して、リスクが少ない時期に植え替えるといいかと思います。

── なるほど。根をいじらない方がいい植物もあるんですね。了解です。

── 植え替えをした後はお水をあげるんですよね?

モモセ

そうそう。植え替え後は、前回紹介したケースと同じように、水やりしてください。さらに、ハミズもすると
よいです。

植え替え後1回目の水やりは、鉢穴から濁った水が出てこなくなるまでたっぷりと。

── ハ、ハミズ? ですか?

モモセ

そう、葉水。全体を洗うように葉に水をかけることです。ホコリが落ちて光合成率がアップしますよ。せっかくだから微風も送るようにできれば、葉の下に溜まった水蒸気を散らせます。葉が日焼けして傷むのを防げるといわれてるんです。

── おお! 温暖な季節になったのは嬉しいけど、日差しが強くなってきて、大切な植物の葉が日焼けするのが心配だったんです。この際、部屋の通風を見直してみようかな。

いいですね~、その調子! 植え替えたら置き場所の環境も整えてくださいね。でも植え替えは大手術なので、姿形が変わることもあるから、急激に環境を変えるのは避けたほうが無難かな。ともかく植物と君にとってハッピーなグリーンライフを~♪

土の表面を赤玉土で化粧して完成!

  

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