オザキ社長の「今シーズンのイチオシ」【2025年・陽春編】

オザキフラワーパーク代表・尾崎明弘が今シーズンのおすすめ品種を紹介!  今回は春以降の園芸を悩ませる、雑草への対抗策についてお話しします。どんなものを買うか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

オザキフラワーパーク代表・尾崎明弘

1969年生、東京都出身。2007年より株式会社オザキフラワーパーク代表取締役社長。首都圏最大級の品揃えを実現しつつ、地域に根付いた店づくりを信条としている。お気に入りの花はセントポーリア。 

砂利より草花で雑草除け

安定して暖かい日が続くようになると、やはり外に出て植物をいじりたくなりますね。きれいな庭や花壇を作る時、雑草が生えてこないように防草シートと砂利を敷くのも良いですが、私は断然、お花を植えるのをおすすめします。

壁を覆う、ローズマリー・プロストラータス

ポット1つ分

ここの「ローズマリー・プロストラータス」は、植えてから2年で花壇から身を乗り出して、今では壁を覆い尽くしています。最初はこんなに小さな苗だったんですよ。

ローズマリー・プロストラータス(開花の様子)

ローズマリーは大きく立性と這性に分けられ、プロストラータスは後者に当たります。地面を這うようにドンドン横に成長しますから、この通り雑草が生える隙間もありません。それから、薄青紫色の小さな花がたくさん咲くと、何とも涼しげで見栄えがします。

ムスカリ、チューリップ、シバザクラ、アイリス

今年はその近くにムスカリとチューリップ、シバザクラを植えてみました。手前のアイリスも、早く花をつけてくれると良いのですが。ひっそりと秋に仕込んでいた球根が今になって咲いたもので、感動もひとしおですね。
シバザクラも数年経てば、ここを覆い尽くすほどになるはず。経過観察が楽しみです。

環境に優しいガーデニングライフ

雑草除けに使える花は、まだまだあります。例えば、「アガパンサス・サマーラブ」は四季咲きでコンパクト。花首が伸びず、一つの株から年にいくつも花が咲くので、狭い場所でも楽しめます。

アガパンサス・サマーラブ(2022年6月・社長撮影)

年を重ねて株を大きくしていけば、雑草も寄せ付けなくなります。花数も増えますから、熱い夏に目から涼しさを求めたいという方におすすめしたいです。

ラベンダー・グロッソ

これは、シルバー系の葉が美しい「ラベンダー・グロッソ」。ここへ植えてから3年目で、プランターから飛び出しそうなほど大きくなりました。暑さにも寒さにも強く、香りも良く、丈夫で育てやすい。しかも蜜源植物なので、6月頃に青紫色の花が咲くと蜜を求めてミツバチが寄ってくるんです。

ラベンダー・グロッソ(開花の様子)(2023年6月・社長撮影)

蜂や蝶などの花粉媒介者「ポリネーター」と、植物、人が共存できる庭づくりが、日本でも注目されてきています。雑草知らずでポリネーターフレンドリーなガーデニングを楽しめる、これぞ一石二鳥ですね。

ウェルビーイングガーデン

新青梅街道沿いのウェルビーイングガーデンも、秋植え球根が花を咲かせて、すっかり春の装いです。ここも私が季節に合わせて花を入れ替え、「集まってきた蜂や蝶の助けを借りて果物や野菜が実る」植物の力を感じていただけるようなガーデンを作っています。一年の間に何度も姿を変えますので、これからもお見せできればと思います。

計算し尽くされた花壇作り

少し話が反れましたが、最後にご紹介したいのは庭木コーナーにある花壇です。中に植わっている花にも勿論こだわっていますが、足元もぜひご覧ください。

レンガの隙間から……

これは決して、レンガの隙間から雑草が生えてきているわけではありません。たっぷり植わったセダムと、その合間にすっくと立つイングリッシュブルーベルは、ここの設計を行った際に最初から作っておいた隙間へ、手作業で植え込んだものです。

イングリッシュブルーベルの球根は一度埋めれば、次の年から自ら分球して、例え周囲にセダムがあろうがお構いなしに増えていきます。セダムも徐々に広がって、下にある土が見えなくなると、極々自然な見た目になって良い具合です。

この春はぜひ、少し頭をひねってお花を植えて、雑草と無縁のガーデニングを楽しんでみてください。どんな風に育てていきたいか、どんな風に魅せたいか、思いつくことは何でもやってみると、もっと楽しく植物と暮らせるようになるはずですよ。

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