花苗の売場を、オザキの顔にしたい。

前職のホームセンターでは園芸担当だった今(こん)さん。その経験を買われ、オザキでは入社1年目にして花苗担当の主任を務めることに。仕事を通じて植物の魅力に引き込まれていった今さんの人生は、オザキフラワーパークで静かに開花しつつあります。

花苗主任・今さん

ホームセンターで4年半、園芸担当として勤務した後、2019年に入社。現在は花苗担当の主任を務めるほか、商業施設にある観葉植物のメンテナンスも行っている。プライベートで育てたお気に入りはクリスマスローズ。 

「売れるか売れないか」の難題に挑む

現在、花苗担当の主任を務めるのが今さん。店舗での接客に留まらず、花苗の発注や、仕入れを担当する日々を送る。店舗の「顔」となる品揃えのカギは、やはり市場での仕入れにあるそうだ。

「市場に行くのは週に3回。自分の裁量に任されている部分が大きいので、やりがいがあります。少しくらい旬の時期からずれていても、自分がいいと思って仕入れた商品が、店頭で売れていくとやっぱり嬉しいですね。日々の仕入れには、お客様の声も生かしています」

とはいえ、売れるかどうかは仕入れてみないとわからない、と今さん。生き物相手だから鮮度の管理も難しい。だが、経験を積むことで得られるノウハウは少なからずある。

「思うように売れない場合は、植え替えてサイズを変えてみるなどの工夫をしています。あと、産地は重要です。例えば夏場、八ヶ岳など涼しい場所で育ったものを、当店のように平地の暑いところに持ってくると、その気温差で一気に萎えて全部駄目になりかねません。お客様の手元で長持ちしないと大変なことになりますから、そのあたりには気をつかっています」

花の名前も知らないところからのスタート

今さんはもともと熱烈な植物ファンだったわけではなく、仕事を通じて植物の楽しみを知ったタイプ。オザキ入社前に勤めていたホームセンターで園芸部門に配属されたことが、植物との最初の縁だった。

「はじめは花の名前も全然わかりませんでした(笑)。でもたくさんの種類があることを知り、ちゃんと人の手が入るときれいに育つ様子を目の当たりにし、徐々に面白くなっていったのです」

自宅でも育てるようになると、さらなる発見があった。

「種類ごとの性質、原産地による共通点や違いなどが少しずつ知識として体系化されていきました。自分で育ててみることで、お客様の気持ちやツボもわかってきます。みんなが何に苦労するのか、とか。これは接客をする上でもプラスになりましたね」

次第にホームセンターの一部門で植物に携わるだけでは飽き足らなくなり、専門店で豊富な品揃えを追求したいと思うようになった。
「ホームセンターでは、納品される商品が到着してみるまでどういう状態かわからないこともありました。それなら、実物を見た上で市場や生産者さんから直接仕入れてみたかった。市場ならリアルタイムで人気の傾向も把握できます。オザキのような専門店でなら、それがかなうと思いました」

自由にのびのびと、植物への愛を広めたい

こうしてオザキに転職して約1年が経った。入社した当初の印象はどうだったのだろう。

「思ったよりも自由でした。市場には2、3回連れていかれた後、『じゃあ、次からはあなただけで行ってね』みたいな(笑)。自分で見きわめて仕入れをしたかったから、そこはむしろありがたかったですね」

仲間にも恵まれた。最近は20代の従業員が増え、組織の若返りが進んだという。一方で上層部との距離が近いのもオザキの良さだ。

「なんせ社長がすぐそこにいますから(笑)。オザキには『これをやってみたい』と申し出れば『じゃあ、やってみなよ』とチャレンジを促す風土がある。組織としての風通しの良さを実感しています」

オザキだからこそスキルを高め、やりたいことにのびのびと取り組んでこられたと今さん。次なるチャレンジも、きっとここでなら実現できるだろう。

「オザキがSNSなどで紹介されるとしたら、観葉植物が並ぶ2階が多いんです。ジャングルのように生い茂った緑が絵になるんですね。そういう雰囲気を1階の花苗の売り場でも出していきたい。花苗は在庫の回転が速いので、仕入れたものをどんどん平場に出すのが定石。複雑な売り場づくりには不向きです。でも、アイテムを絞ったりしながら展示を工夫したい。その上で売り上げも伸ばしたい。これが現在の私の目標です」

編集:fridge Inc.

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