植物の生命力に支えられて──「グロワーズカフェ」店長・宮田さんインタビュー

オザキフラワーパーク(以下、オザキ)との関わりをきっかけに植物の魅力に引き込まれた「グロワーズカフェ」の店長、宮田さん。オザキの店内でお気に入りのコーナーを案内してもらいながら、植物の癒やしパワーや刺激的な色彩についてお話を伺いました。

「グロワーズカフェ」店長・宮田恭輔さん

神奈川県神奈川区出身。オザキフラワーパーク敷地内にあるレストラン「グロワーズカフェ」の店長。2年前の着任以来、オザキが取り扱うグリーンによって店内のインテリアを一新する。オザキ1階の生花店「ラフレシア」がお気に入り。

植物は、空間の色彩をがらりと変えてくれる

今でこそグリーンを活用したインテリアをお褒めいただける当店ですが、僕が着任した2年前は、ほとんど植物を取り入れていませんでした。オザキさんの店舗は植物にあふれていて素敵なのに、同じ敷地内にあるうちの店はどうにも地味な佇まい。それどころか全体の景観を損ねているのではないかと気がかりなほどでした。そこで、「オザキさんの植物を内装に使わせていただけないか」という相談を尾崎社長に持ちかけたのです。

「ぜひとも」とご快諾いただき、いくつか店内にレイアウトしてもらいました。驚いたのは、天井にグリーンを吊すというアイデアです。それだけで店内にぐっと彩りが加わり、空間が広がって見えました。自分の中にはまったくなかった発想で、さすが植物のプロだと感激したのを覚えています。

植物を取り入れたことで、料理の盛り付けへの意識も変わりました。盛り付けで大切なのは、彩りです。料理そのものの彩りだけでなく、店内のインテリアや壁の色、お皿のデザインなども踏まえながら、トータルで色彩の調和を生み出します。ただ、これだけお店の外にカラフルな花畑が広がっていて、店内にもグリーンがあるとなると、色のバランスにも当然影響が出ます。そこから、店の内外にある植物の状況も踏まえて盛り付けを考えるようになりました。たとえばオザキさんがマーガレットをたくさん並べていたら、その白や黄色に合わせて、プレートに添える小鉢の色味を変えてみる。そんな工夫を重ねるごとに、盛り付けへの意識が少しずつアップデートされていきました。

今後は、グリーンだけでなく花の彩りも取り入れたいと考えています。オザキさんのお花畑コーナーを見て回っていたお客さまが、気付かないうちにうちの店内に迷い込んでしまうぐらいに、店の内外で彩りを調和させるのが目標です。

植木に囲まれ、素の自分に戻る

インテリアに植物を取り入れるにつれ、オザキさんに任せきりではなく、自分でも植物を理解したいと思うようになりました。時間が空けばとにかくオザキさんの店舗をぐるぐると周り、植物を観察したものです。そうするうちに、詳しくないなりに自分の好みもわかってきました。ハーブや野菜など料理に直接関わる植物はもちろん、一見料理に関係のない植木コーナーも好きなんです。花のように華やかなわけではないのですが、木々に囲まれているとホッとするというか。ちょうど良い具合に力を抜けて、素に戻れる気がします。

特に好きなのは季節のものですね。今ならキンカンでしょうか。植物にかんしては本当に素人だったので、「今はこれが旬なのか」と少しずつわかってくるのが楽しかったです。野菜でも魚介類でも、旬のものはやはりいいですよね。その優しさや力強い生命力にはいつも励まされています。

2階の観葉植物コーナーもよく訪れます。なぜかというと、おいしい缶コーヒーの自販機があるから(笑)。毎日ではありませんが、よくここでコーヒーを買って屋上で休憩します。その時に、なんとなく観葉植物を一周見て回るんです。ルーティーンのようなものですね。

このジャングルのような木々を見ていると、横浜の片田舎で育った子ども時代を思い出します。森の中でカブトムシを獲ったり、葉っぱの開き具合で帰る時間を判断したり、半ば野生児のように自然と親しんだものです。ここで働くまで、長らくそんな思い出を忘れていました。料理でも何でも、真剣に取り組むほどに気が張りますし、経験を積めば積むほど逆に頭が固くなってしまうこともあります。僕自身、息を吐き出せずにパンパンになっていた。ここの緑は、呼吸を楽にしてくれる気がします。そのおかげで、また新しいものを吸収できるようになるんです。

プロの仕事を前に、背筋が伸びた

最後に紹介したいのは、僕がいつも刺激を受けている「ラフレシア」さんのドライフラワーコーナーです。ドライフラワーは色も地味ですし、主役という感じはしません。なのに、ここのドライフラワーは洗練されていて強い印象を与えます。色の組み合わせも、料理とは考え方がまったく違う。その魅力はどこから来るんだろうと、いつも考えさせられます。

仕事から帰るときに顔を出すと、スタッフさんはいつも熱心に模様替えや仕込みをしています。このひたむきな姿勢があるからこそ、プロフェッショナルな商品づくりができるのだと思うと、背筋が伸びる思いです。自分も頑張らねばと、モチベーションが高まります。

「グロワーズカフェ」に着任していなかったら、こんな風に植物の世界に癒やされたり刺激を受けたりすることはなかったと思います。僕のように仕事で植物に関わる人でなくとも、オザキの店舗をふらりと散歩するだけで、たくさんのパワーがもらえるはずです。ふだん植物に接する機会が少ない人にこそ、気軽に遊びにきていただきたいですね。

編集:fridge Inc.

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