チューリップ

  • ユリ科

  • チューリップ属

  • 流通名(和名)

    チューリップ、ウコンコウ(鬱金香)

  • タイプ

    秋植え球根

  • 原産地

    トルコ、中央アジア~地中海

  • 草丈/樹高

    15~60cmほど

  • 開花期

    3月下旬~5月上旬

  • 花色

    赤、白、黄、ピンク、紫、アプリコット、黒、複色

  • 耐寒性

    強い

  • 耐暑性

    弱い

  • 花言葉

    「思いやり」「愛の告白」「真実の愛」「許しを請う」など

チューリップ

チューリップの特徴

春に咲く代表的なお花です。秋9月ごろに球根が入荷します。
春先(1~2月ごろ)に少しだけ開花した鉢物などが入荷したりもしますが、それほど種類はなく、秋に球根を購入して植えるというのが主流です。

シンプルな一重咲きから、ダブル咲き、パーロット咲き、フリンジ咲き、ユリ咲きなど、花色や花の形もバリエーションに富み、数えきれないほどの品種があります。(6000~7000種ほどの品種があるとも言われています)

咲く時期も微妙に異なり、3月下旬~4月中旬に咲く早生種(SE、DE)、4月中旬~下旬に咲く中生種(T、DH)、4月下旬~5月上旬に咲く晩生種(SL、DL、L、FR、P、V、R)といくつかの系統に分かれています。
見た目だけで球根を選んでしまうと、一緒には咲かないものが混じるので、一斉に咲かせたいという方は注意が必要です。

開花期間は、だいたい1週間くらいと比較的短いです。涼しい気候で日差しが弱い半日陰の場所だと長く咲く場合もありますが、気温が高いとあっという間にお花が終わってしまいます。
一度咲き終わった球根は、花後に施肥することでまた来年も咲かせることができますが、年々花色が悪くなったり細ってくるため、新しい球根に更新していく方が多いです。

チューリップの系統

チューリップは、品種によって、草丈や、咲く時期などがバラバラです。
見た目だけで選んでしまうと咲く時期が異なりますので、一斉に咲かせたいという場合は、「そろい咲きチューリップ」などを選ぶか、品種を検索して調べる必要があります。
(系統を明記しているメーカーさんもあれば、品種名しか書いていない場合も多々あり)
早生種→中生種→晩生種と、混ぜてたくさん植えることで、開花時期をずらしながら長期間チューリップを楽しむ、というテクニックもアリます。

3月下旬~4月中旬に咲く早生種

SE(シングルアーリー)=シンプルな一重で早咲き種。「ホワイトプリンス(SE)」「パープルプリンス(SE)」「プリンスゴールド(SE)」「フレアー(SE)」「ベストセラー(SE)」などの品種があります。
DE(ダブルアーリー)=八重早咲き種。「フラッシュポイント(DE)」「カジュアル(DE)」「カールトン(DE)」「コロンブス(DE)」などの品種があります。
S(スピーシーズ)=原種系チューリップ
 原種系チューリップは、ミニ種、早咲きが多く、原種系の中でも更にいくつかの系統に分かれています。
  Greigii(グレイギー)、K(カウフマニアナ)F(フォステリアナ)など。
 「アルバコエルレアオキュラータ(S)」「クルシアナ(S)」「ライラックワンダー(S)」「サクサテリス(S)」「ザ・ファースト(K)」「アリババ(G)」「ピノキオ(G)」「アプリコットエンペラー(F)」「ピューリシマ(F)」などの品種があります。

4月中旬~下旬に咲く中生種

T(トライアンフ)=シンプルな一重、カップ咲きで40~50cmほどの普通サイズ。チューリップの多くが、だいたいこのトライアンフ系。
「黄小町(T)」「ワシントン(T)」「ベンバンザンデン(T)」「ハッピージェネレーション(T)」「ガボタ(T)」「ストロングゴールド(T)」「マンゴーチャーム(T)」「ポールシェラー(T)」などの品種があります。
DH(ダーウィンハイブリッド)=一重遅咲き種SL(シングルレイト)とフォステリアナ(原種チューリップ)を交雑することで生まれた種。
 草丈が60~70cmほどと高く、花も大きくボリュームのあるものが多い。一言でいえば「大型で丈夫」
「オックスフォード(DH)」「カムバック(DH)」「デイドリーム(DH)」「桃太郎(DH)」「紅美人(DH)」などの品種があります。

4月下旬~5月上旬に咲く晩生種

SL(シングルレイト)=シンプルな一重で遅咲き種。「ビッグスマイル(SL)」「キャンディクラブ(SL)」「メントン(SL)」「ブラックビューティー(SL)」「むらさきすいしょう(紫水晶)(SL)」などの品種があります。
DL(ダブルレイト)=八重遅咲き種。「アンジェリケ(DL)」「ブルーダイヤモンド(DL)」「紅獅子(べにじし)(DL)」「カーニバルデニース(DL)」などの品種があります。
L(リリィー)=花弁がとんがった形のユリ咲き種。「バレリーナ(L)」「ホーランドチック(L)」「プリティーウーマン(L)」「プリティーラブ(L)」などの品種があります。
FR(フリンジ)=花弁の縁がギザギザの細かい切れ込みが入るフリンジ咲き。「カナスタ(FR)」「フラメンコ(FR)」「フリンジドファミリー(FR)」「ベルフラワー(FR)」「ペントハウス(FR)」「ブルドッグ(FR)」などの品種があります。
P(パーロット)=パーロット咲き。花弁がうねるような乱れた咲き方。「アプリコットパーロット(P)」「フレミングパーロット(P)」「マドンナ(P)」「ホワイトパーロット(P)」「ミステリアスパーロット(P)」などの品種があります。
V(ビリデフローラ)=ビリデ咲き。花弁に緑色が入るいわゆるグリーンチューリップ。「スプリンググリーン(V)」「フロローサ(V)」「フレミングスプリンググリーン(V)」「レッドスプリンググリーン(V)」「みどりのかぜ(緑の風)(V)」などの品種があります。
R(レンブラント)=花弁に紫や褐色のモザイク状の模様が入るレンブラント咲き。昔はモザイク病による奇形種とされましたが、現在では改良により病気が蔓延するような事はないそうです。「レムズフェイバリット(R)」「カーニバル・デ・リオ(R)」「ミッキーマウス(R)」「フレミングフラッグ(R)」などの品種があります。

チューリップ球根

チューリップの栽培

用土

弱酸性の土壌を好みますので、一般的な草花培養土で大丈夫です。花壇の場合は、堆肥や腐葉土などをすきこんでよく耕し、水はけのよい環境にします。
市販の球根には咲くための養分がつまっているので、元肥がなくても大丈夫ですが、あげるのであれば「マグァンプK」や「球根用肥料」などを。

植え付け

園芸店では、9月中旬ごろには品種も揃いますので、その頃に購入しましょう。
球根の根が伸びる最適温度は10~15度くらいと言われます。
お庭では5~10cmくらいの深さで、鉢植えの場合は軽く土がかぶるくらいの深さで大丈夫です。

株間は10~15cm位くらいとった方が球根のためにはいいのですが、見栄えをよくするために密集して植える方もいます。
(密集すると球根が育つスペースがなくなってしまいますが、狭い花壇や、鉢植えでは、球根を育てるというより球根は毎年購入、見栄え重視、という考え方で豪華に咲かせる これもひとつの楽しみ方です)

水やり

植え付け後、水やりをはじめると根が発根してきます。
冬の間も根は生きていますので、忘れずにお水やりをしましょう。
基本乾いたらたっぷり、ですが、冬は乾くのが遅くなります。

開花

咲く時期は品種や気候にもよっても変わりますが、チューリップは冬の間は芽が出ず、暖かくなると芽が出てきます。
早咲き種なら3月下旬~4月中旬ごろ、 中生種なら4月中旬~下旬、遅咲き種なら4月下旬~5月上旬ごろに開花します。
冬の間に水を切らしてしまったり、急に高温になったりなど、茎が伸びずに開花してしまう場合もあります。

来年も咲かせるための花後のお手入れ

花を咲かせることで、球根は消耗します。
花後、葉っぱが自然に枯れるまでの間、肥料を施します。
だいたい6月ぐらいになると葉っぱが自然に枯れてきます。
光合成をして養分を作り出しますので、葉っぱを切ったり、花が終わってしまったからといって日陰に移動したりしないようにしましょう。
葉っぱが自然に枯れたあとは、球根を掘り上げ、葉を切り取って風通しの良い場所で秋まで保管します。
鉢植えの場合は、植えたまま乾かしても大丈夫ですが、ぎゅうぎゅう詰めで植えていた場合はうまく球根が太れませんのでご注意ください。