イチゴ(苺)

  • バラ科

  • オランダイチゴ属

  • 流通名(和名)

    イチゴ(苺)

  • タイプ

    多年草

  • 原産地

    北アメリカ、チリなど

  • 草丈/樹高

    ~30cmほど

  • 開花期

    春(一季なり)

  • 花色

    白、ピンク、赤

  • 耐寒性

    強い

  • 耐暑性

    やや弱い

  • 花言葉

    「尊重と愛情」「幸福な家庭」「誘惑」「甘い香り」「甘い乙女心」

イチゴ(苺)

イチゴ(苺)の特徴

赤くて甘酸っぱい大人にも子どもにも人気のイチゴ。春に花が咲いて5~6月頃に収穫できる「一季なりイチゴ」と、四季咲きで環境が合えば一年のうち何度も収穫できる「四季なりイチゴ」とがあります。

美味しいのは「一季なりイチゴ」と言われていますが、育てるのはそれほど難しくはないものの、本当に甘く美味しくするのは少々難しいです。

「女峰」「章姫(あきひめ)」「さちのか」「とちおとめ」「とよのか」「天使のいちごAE(白苺)」などのたくさんの品種があります。スーパーで人気の「あまおう」は苗では出回っていません。

イチゴ(苺)苗(とちおとめ)

イチゴ(苺)の栽培

イチゴは、親株から出たランナーで子株を増やします。春に収穫した後の親株から出たランナーから秋ごろに子株を作り、来春用の苗に育てるというサイクルになります。
収穫後の親株は、翌年も多少は収穫することもできますが、子株へと更新するため破棄されるのが普通です。

用土

気温や地温に左右されやすいので、地植えよりも、涼しい場所に移動可能なプランターで育てた方がよいです。
用土は一般的な培養土で大丈夫です。肥料に弱いところがありますので、元肥は入れなくてもかまいません。

一株だと6号鉢が目安です。65cmプランターなら2~3株(多くて3株)
ギュウギュウ詰めにたくさん植えたり、小さな鉢ではうまく育ちませんのでご注意ください。

園芸店では、春と秋にイチゴの苗が出回りますが、秋に入荷する苗を購入し、春までに充実した株に育てるのをおすすめします。
また、イチゴは、花芽を分化させるために、冬の間に一定期間寒さにあてる必要があります。
(春に売られている苗は、多少は収穫ができますが、秋から育てた苗ほど充実してはいないので、すぐ収穫期が来てしまい実のつく量が少ないです。)

置き場所

日当たりが良く、風通し、水はけのよい場所で育てます。
イチゴは、花芽を分化させるために、冬の間に一定期間寒さにあてる必要がありますので、戸外で育てるのが基本です。暖かい室内などには置かないようにしましょう。
寒さには比較的強く、淡雪程度は耐えられますが、寒風や強い霜にはあてないようにします。寒冷地にお住いの方は、敷き藁などで防寒してください。

水やり

基本的に乾いたらたっぷりとお水やりをします。
冬は乾くのが遅くなりますので、水やりの回数は減ります。
株元にあるクラウンと呼ばれる部分に水が溜まると腐りやすくなります。お水は上からザブザブあげたりせず、葉をかき分けてそっと用土にお水やりするようにましょう。

肥料

植え付け後、2週間くらい経ったら、IB化成などの化成肥料を施します。(以後、月に1回くらいの頻度で肥料をあげます)
液肥をあげてもよいのですが、液肥の効き目は基本的に1週間ほどしかなく、冬は週に一回だと水のやり過ぎになる場合もありますので、固形や粒の肥料の方がよいです。
また、イチゴは肥料には弱いところがあります。根っこに触れないようにする、多肥にならないようにする 等がポイントです。
有機肥料は、アブラ虫やカビなどが発生しやすくなります。ベランダ菜園などでは、IB化成などの化成肥料にした方が虫が発生しにくいです。

収穫  環境によっては、人工授粉しましょう

春になって暖かくなってくると花が咲き出します。
花の中心部分が受粉するともりあがってきて苺へと成長します。基本はミツバチなどによる受粉で、自然に実がつく事も多いですが、
虫の来ない環境ですとうまく受粉しない場合があります。(高層マンションなど)
その場合は、花が咲いたら、開花後2日目くらいに花粉が出てきますので、午前中に、乾いた絵筆や、やわらかいブラシなどで、雄シベをくるくると円を描くように撫で回して人口受粉しましょう。

うまく受粉すれば、開花から約30~40日くらいで収穫できます。(品種や気温によって日数は異なります)
ある程度日数(10日ぐらい)が立っても膨らんでこなければ、多分うまく受粉できていません。その花は摘んで次のお花にチャレンジしましょう。

甘いイチゴをつくるには? いちごの積算温度は600度。 積算温度って何?

イチゴにかぎらず、野菜や果物が熟すには、「積算温度」というものがあります。イチゴの場合、だいたい600度になると収穫期に達します。

●一日の最低気温が10度、最高気温が25度の場合、平均気温は(10+25)÷2=17.5度になりますので、600度になるまでには、約34日ほどかかります。

●日平均気温が15度の場合は、約40日かかる計算です。(平均気温15×40日=600度)

●とても甘いイチゴを作るには、45日から50日かけた方がよいとされ、平均気温が13度ほどが理想的だと言われています。

イチゴ農家さんなどハウス栽培では、人工的に気温や地温を調整し、おいしいイチゴになるように一定の温度管理がされています。
ご家庭や露地栽培ではそのような環境を作るのは難しく、自然にまかせるしかないので、プロの農家さんがつくるような甘いイチゴを作るのは根本的に難しいです。

春は急に気温があがることも多いです。気温が高いと短い日数で積算温度に達してしまうので、味が薄い、または、酸っぱいイチゴになってしまうのです。

花は咲くけど膨らまず、黒くなってダメになってしまう。実がつかない、どうして??

理由はいくつかあります
●日当たりが足りない
●風通しが悪く蒸れてしまった
●水のやり過ぎにより根が傷んだ
●肥料のやり過ぎ
●株間が狭かった(苗を植えすぎ、ぎゅうぎゅう詰めにたくさん植えた、もしくは鉢が小さすぎ)
●冬の間の低温にあてる期間が不十分
●育成途中水切れさせてしまった事があった  などなど

まだ本格的に気温があがっていない春先では、低温のために委縮して実が大きくならない場合もあります。この場合は気温による生理障害なので、だんだん実がつくようになってきます。ちゃんと受粉していて、10日以上たっても膨らんでこない場合は、花を摘んで、次のお花に栄養がまわるようにしましょう。

そもそも花がまったく咲かない、どうして??

●イチゴは気温が18度以上になると、花芽ができにくくなります。なので、涼しい場所に移動したりすることができない地植えでは、まったく花が咲かなかった、という事もおきてしまうようです。気温や地温に左右されてしまうので、地植えよりもプランター栽培の方がおすすめなのはこれが理由です。
●肥料のやり過ぎ(チッソ過多で葉ばかり繁り、実がつかない場合があります)
●冬の間の低温にあてる期間が不十分
●イチゴは花が咲くころには肥料が残っていない状態にした方がよい、(チッソ分を切ってある方がいい)と言う方もいます。

その他の注意

虫や鳥に食べられないよう、防虫ネットをかけて保護したいところですが、ミツバチも入れなくなってしまっては受粉ができません。
ネットで保護する場合は、人工授粉をしましょう。